ナナツモリ・タムラのblog。      「写真と遊ぼう」をテーマに      写真のはなしいろいろ。         僕の写真もすこし…。


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Ulsan photo academy

韓国のお話、今回の記事で完結です。

Ulsanでの滞在中、ぼくはulsanでも郊外の海の前のホテルに宿泊していました。ここはとっても居心地のよい場所で、散歩して日記を書いて、ただ何にもない時間を過ごせました。
ひとりで泊まるには十分すぎる広さだったのに、すっごく安かったんですよ〜。
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この国で、小学校で写真を学ぶこどもたちに会えたのと同じくらい素晴らしい時間を過ごすことができた場所がもうひとつあります。
ホテルから30〜40分車を走らせたUlsanの中心街にある、小さなビルの階段を上るとそこはあった。

Ulsan photo academy

下の写真はEun Gyeongが先生を勤めているUlsan Photo Academyの生徒たち。彼らはほとんどが高校生です。簡単に言うと、ここは写真の専門学校とかではなくて、写真系の大学に入るための写真を勉強する塾みたいな位置づけの学校です。
大学受験時に、写真学科はポートフォリオ(作品)の提出が義務づけされているため、大学に入る前から写真を学んでおく必要があるんですね。
このアカデミーはそんな子供たちが通っています。暗室の前でプインプイン♪
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撮ったフィルムを自分の手で「現像」→「停止」→「定着」。1枚ずつ丁寧にプリントする。
一枚の写真をきちんと見るために必要なこれらの行程。
当たり前だけど写真は撮って終わりじゃなかった。すごくシンプルな「写真」の流れがここにはあって。

ぼくは自分の写真を大切にできているだろうか——。

同時に、写真本来のもつ「美しさ」を改めて思い知った。写真はこうあるべきというものを真っ正面から突きつけられた感じ。あまりにもカメラがカジュアルになることで、こんな当たり前のことも忘れかけていた。デジタルカメラ全盛の中、フィルムさえ見たことがない世代が多くいる中で、まだ18歳くらいの若者たちが暗室で写真を焼いている姿がただただうれしかった。

授業が終わると彼らはドーナツをほおばり、ばかな話をして輪になって騒いでよく笑った。素顔は普通の高校生。でもその3分後にはネガを真剣に見て、暗室道具をきれいに洗っている。
その動作のひとつひとつがとても美しかった。
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写真家の卵になるためこどもたちを育てる場所。
ぼくはここが大好きになった。この場所に行くために、彼らにに会うために、ただそれだけの理由で韓国に行けるくらい!!

最後に、彼らに質問をした。
「あなたたちは写真家になりたいの?」

何言ってるの?って顔で
「もちろん」って言った。
あたりまえだよね。いつかあなたたちが韓国で(世界で)活躍するフォトグラファーになることを心から願っています。

最後にここでも記念写真。(ぼくのへんな髪型に関してはスルーしてください)
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最後に、このアカデミーで出会っためがねのおとこのこのはなし。
彼の名前はSung Won。(彼は高校生ではありません)
彼はとても面白くて、人懐っこくて、そしてとってもとっても写真が好き。
写真が好きすぎて、彼女とのデートでも写真ばっかり撮って「私と写真とどっちが大事なの?」ってふられた経験があるくらい(笑)

彼はぼくをとても慕ってくれて、明日大事なテストがあるのに、ぼくも一緒にhiroと遊びにいく!とバイクで駆けつけてくれた。一緒にサムギョプサルを食べて、綺麗な花が咲いている場所を案内してくれた。(彼はとてもロマンチストだ)
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(日本に帰ってから彼の背負っているカメラバッグをまねして買いました!)
Sung Wonは、夜中おなかがすくだろうから、とファミリーマートで辛ラーメンとキムチをおごってくれた。ベトナムの夜行列車で同室になったフランス人におごってもらったカップラーメンに続いて、ここ韓国でも、またも最高級においしいカップラーメンにありつけた。
ありがとう。

別れ際、彼はぼくに「아쉽다(アシプタ)」という韓国語を教えてくれた。これはバイバイするときに、別れがたい、名残惜しい気持ちを表すときに言う言葉なんだって。かわいいやつめ!
君が日本に来たら、きみのしたいことを全部させてあげるよ!!(笑)

こんなにも近いのに、いろんな意味で距離を感じていた韓国という国が、ぼくにとってとても身近で特別な国になった。
韓国のはやりのドラマや音楽はまったく知らないけど、再び会いたい人がたくさんできたからきっと何度も足を運ぶだろう。
人懐っこくて、愛情深くて、素晴らしい人がたくさんいる国でした。

そして、この旅のあいだ中ぼくのためにあらゆる準備をしてくれて、とても感動的な体験をさせてくれたEun Gyeongに感謝。

写真を撮ることも楽しいけど、写真を中心に広がって繋がっていくことはもっともっと好きだ。

おしまい。
by nana-photoroom | 2012-08-09 20:13

韓国の写真教育 小学校訪問 

更新の間隔があいてしまってすみません…。こりずにおつきあいくださいね。

ぼくの韓国視察の最大の目的。そして一番楽しみにしていたのがこの時間です。
子供たちへの写真教室のようすを見学してきましたよ。
韓国の小学校では、日本で言うところの「特別講座」のような枠で、なんとなんと写真の授業があるんです。うらやましい…これは各学校が選択するものなので、すべての小学校で採用されているわけではないのですが。
国から先生が選ばれ(試験があるのかな)、その先生には生徒たちが使うカメラ(コンデジ)が貸与されます。前回のブログで紹介したEun Gyeongは、写真の先生でいくつかの学校を受け持っています。

今回は2つの小学校で授業に同行させていただきました。見学だけのはずが、我慢できるはずもなく…一緒に授業を楽しんできました〜。
「선생님(ソンセンニム)」」(先生、の意味)と呼んでくれるのがうれしくてずっと舞い上がってました(笑)
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今回訪れた小学校は2カ所。
小学校に足を踏み入れるだけでもドキドキわくわくする。日本人が学校に来るのが珍しいみたいで、ほかの学年の子供たちまで教室に様子を見に来る。
「ハーイ!!」と元気に挨拶すると恥ずかしそうに手を振る。逃げる生徒は、追いかける!(笑)
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一つ目の小学校は高学年のクラスと、低学年のクラス、両方の授業に参加しました。
高学年のこどもたちは比較的カメラにも慣れていて、自主的にどんどん写真を撮っていきます。この日は校庭に出て、自分たちの影を撮ったり、ジャングルジムに登ったりアクロバティックな撮り方に挑戦したり、友達にポーズをとってもらったり。撮った写真をすぐに一緒に確認して「もっと下からのアングルだと迫力がでるよ〜」ってアドバイスすると撮り直してくれる。
高学年になると、「ただ写真を撮る」という行為から本人なりの美的感覚に基づいて理想とする「よい写真」を撮ろうとしたり、「面白い写真」のために思考錯誤したり。個を意識し始めているのがわかる。これは半分「写真表現」の世界に足を踏み入れている。
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低学年の授業はとっても可愛かった!週に一回の、写真の授業がとっても楽しみにしているよう。はやく撮りたそうに、うずうずしてる。(笑)日本のこどもたちと一緒です^^
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さあ、外に撮りにいこう!!
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低学年のこどもたちは、ただただ「撮ること」そのものが楽しい。この日の授業のテーマは「色」。先生が「赤!!」って言ったらいっせいに赤色の被写体を探しにいく。「黒」って言ったら黒の写真を撮りにいく。色を一生懸命探す。見逃してしまいそうな小さな色も発見して写真を撮る。こどもたちは目を凝らして観察する。
彼らにとって、写真は「アート」でも「表現手段」でもなく、ゲーム(遊び)なんです。
精神分析学者フロイトが言ったそうです「子供たちが熱中する唯一のことは"遊び"だ。」と。写真は遊びの中にある。うん、やっぱりそうだ!!

教室に戻ってみんなで写真を撮り合った。
そう。下の写真みたいに、韓国ではこどもから大人まで、写真撮るときはみなこのポーズするんです。「プインプイン〜♪」っていいながら。「はい、チーズ」みたいな感じかな。とってもはやってるみたい。授業が終わると、こどもたち全員に囲まれて「バイバイ」ってハグしてくれた。またくるね。
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2日後、もうひとつの小学校はもっと小さな小学校でした。すごく生徒が少ないから、全校生徒8人で一緒に授業です。この学校、とっても美しいんです。なんと海まで5分ですよ。この日の授業は海岸にでてみんなで写真を撮りました。
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子供たちが集中して写真を撮るのはたぶん30分くらい。(笑)30分をすぎると海で遊び始めたり「ね〜アイスを食べよう!!」ってなるのは日本の子供たちと同じ。この30分タイマーがとてもとてもかわいくて愛おしい。
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今回小学校を訪問して、実際に子供たちと触れ合って本当によかった。8月のフォトフェスでは、うちの子供たちはこの子たちと一緒に写真展をするんだと実感を持てた。当たり前だけどこれはとても重要だと思う。本当は韓国までこなくても写真を送って、あとはよろしく〜っていうやり方もあった。でもそれだとEun Gyeongのことも、一緒に写真を並べる子供たちの顔すらわからなかったし、本当の意味でこの写真展の意図を理解できなかった気がする。

このあと、カフェに場所を移してもうちょっと深い話をすることに。
Eun Gyeongとの普段のコミュニケーションは拙い英語でもうほとんど大丈夫だったのですが、写真の話や教育論、展示プランなどを細かいニュアンスは下手な英語では伝えるのが難しい。ということでこの日は、通訳さんをつけてもらいました。
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改めてEunの言葉が日本語に変換されると、彼女はとても頭がよく写真を知り尽くしていて、愛にあふれた素晴らしい教育者でした。韓国のこどもたちへの写真教育システムや、直面している問題…理想と現実を教えてくれました。
ディスカッションの中で結構真剣に包み隠さずお互いに言いたいことを言いました。
「こどもらしい写真とは何か」
「大人の美的感覚を介入させたくない」
写真に関して、言いにくいことも全部話し合ったけど、大切な根っこの部分がまったく同じでふたりでとても安心しました。そして展示の方向性がきちんと決まりました。

「こどもたちの目」をありのままみてもらおう。

ある側面で写真はとても正直です、子供たちが普段どのように世界を見て観察し感じているのか。
それを知りたいし、知ってもらいたい。

大きな写真展で展示する。これはすごいこと。当然、気合いも入る!
ついつい、こどもたちの写真技術の未熟な部分を修正したり、大人の感覚を無意識にあてはめてしまいそうになる…
でも、この誘惑に打ち勝って。
こどもたちが普段見ている世界を見てもらうために、極力大人の感覚を取り除こうと。そのままの状態で。

これは簡単そうでとても難しいんです。つい「子供なのにこんな綺麗な写真撮れるんだぞ!」ってね、主張したくなるんですよ。撮ったあとの写真を整えるのって普通のことだし、子供たちの写真の素材は本当にいいですし。

だから今回韓国に送った子供たちの写真は、明るさや彩度やコントラストなど、必要な最低限の微調整すらも手を加えていません。すべてこどもたちが自分で選んだ設定(もしくは何も考えないで撮った)そのまんまです。ぶれてようが、ちょっと暗かろうがそのままです。
きっと、大人から見たらいい写真なのかどうかはわかりません。でも、それでいいんです。

ぼくたちは、考えられる最良の着地点を選んだと心から思っています。

8月30日から、いよいよUlsan International photo festivalがはじまります。とても立派な会場に写真を展示します。ぼくはこれにあわせて再び韓国を訪れます。本当はこどもたちを一緒につれていきたいんだけどね…ぼくが代表して見てきます。また展示の様子はここで報告しますね。

僕個人としては、今後は日本でも小学校などで、こどもたちと写真で遊ぶ機会を作っていきたいと思います。
(ぼくの夢「日本縦断小学校写真教室の旅」が現在構想あっためてます。前述したように「カメラの確保」がとても難しいから…。けっこうまとまった数が必要で。カメラメーカーさんにスポンサーをお願いしなきゃ(笑))

まだもうすこし準備に時間かかりますが、日本中、世界中、オファーいただければかけつけますからね!!おじいちゃんになったら、ろくに仕事もせず、これだけしていようかなとか思ったりしています。

Eun Gyeongをはじめ、今回日本人のぼくを小学校の教育現場に招いていただいた韓国の教育関係者のみなさま、本当にありがとうございました。
とてもとても勉強になりましたし、感動的な時間を過ごすことができました。心から感謝します。
by nana-photoroom | 2012-08-05 20:41